スポーツ大会(日本選手権)の空撮
依頼内容
今回は、あるスポーツ大会(日本選手権)のドローン撮影依頼に対応しました。
DID・目視外・30m未満・イベント上空のほか、自衛隊駐屯地が近隣にあったため調整が必要になりました。
法規制
航空法
航空法において、国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域及び方法で、無人航空機の飛行(特定飛行)を行う場合は、原則として飛行許可・承認手続きが必要になります。
適切な飛行許可・承認を取得せずに無人航空機を飛行させる等した場合、懲役又は罰金に科せられます。
小型無人機等の飛行の禁止に関する法律
「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等、防衛関係施設、空港及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止することにより、これらの重要施設に対する危険を未然に防止し、もって国政の中枢機能等、良好な国際関係、我が国を防衛するための基盤並びに国民生活及び経済活動の基盤の維持並びに公共の安全の確保に資することを目的とする。」
すなわち、重要施設周辺で無人航空機を飛行させてはいけないと規定されています。
そして、そのような場所で飛行させるためには、各機関への手続きを行わなければいけません。
こちらの手続きも施設・飛行場所によっても異なります。
法令上の手続き
航空法
「人口集中地区」で飛行する場合
「人工集中地区」は、落下した場合に地上の人・物件などに危害を及ぼすおそれが高い空域のため、無人航空機を飛行させる場合には、あらかじめ、国土交通大臣(申請先は飛行エリアを管轄する地方航空局)の許可を受ける必要があります(航空法132条の85第1項第2号)。
「目視外・30m未満・イベント上空」で飛行する場合
無人航空機を飛行させる者は、目視外、人・物件から30m未満、イベント上空といった方法で無人航空機を飛行させようとする場合には、あらかじめ地方航空局長の承認を受ける必要があります(航空法132条の86第2項、第3項、第4項)。
※特定飛行のうち、DID上空、夜間、目視外、人又は物件から30mの距離を取らない飛行であって、飛行させる無人航空機の最大離陸重量が25kg未満の場合については、立入管理措置を講じ、無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合、飛行マニュアルの作成等無人航空機の飛行の安全を確保するために必要な措置を講じることにより、許可・承認を不要とすることができます。
小型無人機等の飛行の禁止に関する法律
小型無人機等の飛行を行う48時間前までに、当該小型無人機の飛行に係る対象施設周辺地域を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に通報をする必要があります。
対象施設周辺地域が同一の都道府県内の2つ以上の警察署の管轄にわたるときは、そのいずれかの警察署を通じて当該都道府県公安委員会に通報します。
対象施設周辺地域が2つ以上の都道府県にまたがる場合には、すべての都道府県公安委員会に通報をしなければいけません。
なお、災害その他緊急やむを得ない場合に限っては、小型無人機等の飛行を行う直前までに、警察署に口頭で通報することで足ります。ただし、その場合であっても、同意を通報に先立って得る必要があります。
また都道府県公安委員会への通報に加えて下記の場合には、別途手続きが必要になります。
「海域を含む施設周辺地域」の場合
小型無人機の飛行を行う48時間前に管区海上保安本部長への通報が必要。
「空港」の場合
小型無人機の飛行を行う48時間前に空港管理者の同意・通報が必要。
「防衛関係施設」の場合
防衛施設管理者の同意・通報が必要。
➀自衛隊の場合 飛行を行う10営業日前までに施設管理者の同意を得なければいけません。
➁在日米軍の場合 飛行を行う30日前までに施設管理者の同意を得なければいけません。
同意を得たうえで、飛行を行う48時間前に施設管理者への通報が必要になります。
「皇居、赤坂御用地、仙洞仮御所に係る対象施設周辺地域」の場合
小型無人機等の飛行を行う48時間前までに、当該小型無人機等の飛行に係る対象施設周辺地域を管轄する警察署を経由して皇宮警察本部長に通報をする必要があります。
弊所の対応
◆航空局
飛行許可承認申請を代行しました。
◆自衛隊駐屯地
今回は対象防衛関係施設として指定された施設(小型無人機等の飛行の禁止に関する法律第6条関係)に該当するため、調整が必要になりました。
また、飛行場所が自衛隊駐屯地の水平表面に該当するため、特定の高度以下で無人航空機を飛行させるように調整しました。
空港や自衛隊周辺の場合には、飛行高度制限が設けられていますので、高度150m以下でも別途許可が必要となる場合があります。
◆警察署
各手続きの際に、管轄の警察署と調整も必要になりましたので、管轄警察署と調整しました。
周辺住民からの通報等があった場合に備えて、無人航空機を飛行させる場合には、飛行場所を管轄している警察署とあらかじめ調整しておく方がよいでしょう。
お問い合わせ
academic worksでは、2015年12月の航空法改正以降、ドローンソリューションを提供する企業様、ドローンを利活用した実証実験を行う各自治体の法務サポートを行ってきました。
小型無人機等の飛行の禁止に関する法律により指定されている施設での測量やイベント上空での空撮などをご検討の方は是非ご相談ください。
詳細についてはお問合せフォームまたはお電話にてご連絡ください。
academic worksドローン規制担当
TEL:03-5318-9046(平日10:00-17:00)
法令解説・資料等
ドローン(無人航空機)の規制
実績・事例集
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