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実績・事例 Published on 2023/11/22

廃線になった鉄道上空での飛行

依頼内容

今回は、撮影会社から廃線になった鉄道の上空を飛行させる依頼に対応しました。
「目視外飛行」、「人又は物件から30m未満の飛行」の申請でしたが、鉄道上空飛行に該当するかどうかがポイントとなりました。

法規制

航空法

航空法において、国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域及び方法で、無人航空機の飛行(特定飛行)を行う場合は、原則として飛行許可・承認手続きが必要になります。
適切な飛行許可・承認を取得せずに無人航空機を飛行させる等した場合、懲役又は罰金に科せられます。

また、法令だけでなく、飛行マニュアルで飛行で制限されている飛行もあります。
具体的には、「場所を特定しない申請に適用される飛行マニュアル」では、鉄道上空の飛行を制限されています。

鉄道事業法

鉄道事業法で、「鉄道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない(鉄道事業法3条)」と規定されており、鉄道事業の許可は事業者単位ではなく、路線及び鉄道事業の種別単位で行う必要があるため、路線の延伸においても新たな区間の鉄道事業許可を受ける必要があります。
また、「鉄道事業の許可を受けようとする者は、鉄道事業許可申請書を国土交通大臣に提出しなければならない(鉄道事業法4条)」と規定されています。
上記手続きを行っている路線が鉄道に該当します。
なお、「鉄道事業の休廃止の届出(鉄道事業法28条)」を行うことで、廃線となっている場合には、鉄道に該当しません。

法令上の手続き

航空法

【目視外飛行】
①機体、②飛行させる者、③安全を確保するに必要な体制について、以下に掲げる基準に適合する形で申請書を作成する必要があります。

①機体について、次に掲げる基準に適合すること。
・自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること。
・地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できること(不具合発生時に不時着した場合を含む。)。
・不具合発生時に危機回避機能(フェールセーフ機能)が正常に作動すること。

②無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。
・モニターを見ながら、遠隔操作により、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること及び飛行経路周辺において無人航空機を安全に着陸させることができること。
・飛行中に、カメラ等からの情報により、飛行経路直下又はその周辺における第三者の有無等、異常状態を適切に評価できること。
・把握した異常状態に対し、現在の飛行地点(飛行フェーズ、周辺の地形、構造物の有無)や機体の状況(性能、不具合の有無)を踏まえて最も安全な運航方法を迅速に判断できること。
・判断した方法により遠隔から適切に操作できること。

③安全を確保するために必要な体制について、次に掲げる基準に適合すること。
・飛行させようとする経路及びその周辺の障害物件等を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。

【地上又は水上の人又は物件との間に 30mの距離を保てない飛行】
①機体、②飛行させる者、③安全を確保するに必要な体制について、以下に掲げる基準に適合する形で申請書を作成する必要があります。

①機体について、次に掲げる基準に適合すること。
・第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する機能を有すること。

②無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。
・意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。

③安全を確保するために必要な体制について、次に掲げる基準に適合すること。
・飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。なお、立入管理区画を設定する場合は、補助者の配置に代えることができる。
・飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないように注意喚起を行う補助者の配置等を行うこと。なお、立入管理区画を設定する場合は、補助者の配置に代えることができる。

鉄道事業法

国土交通省から平成12年度以降に廃止された全国の路線一覧が公表されています。
こちらに記載の路線は廃止されていますので、鉄道に該当しません。

弊所の対応

今回のご依頼に関して、まずは飛行場所の鉄道が廃止されているかの調査を行いました。
鉄道に該当するのであれば、飛行マニュアルを修正する必要があり、飛行場所を特定しない包括許可では飛行させることができません。
対象の鉄道は、鉄道事業の休廃止の届出(鉄道事業法28条)を行っていたため、鉄道に該当しませんでした。
したがって、「目視外飛行」及び「地上又は水上の人又は物件との間に 30mの距離を保てない飛行」の承認申請の対応をしました。

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