無人航空機・国家ライセンススクール「登録講習機関」の登録手続きと流れ
この記事の目次
はじめに知っておいていただきたいポイント
・登録講習機関、操縦ライセンスとは
・実績
・講習開始までのスケジュール
・登録申請
・無人航空機講習事務規程届出
・登録講習機関管理者及び講師に対する研修
・講習開始後の変更手続き
・登録講習機関サポートについて
はじめに
academic worksの黒沢です。ドローンの国家ライセンススクールを運営するために知っておいていただきたいポイントを最初にお伝えします。
ポイント1 スクール運営にいたるまでにかなり時間がかかります。
手続きに関しては私どもでサポートさせていただきますと、約1~2か月ほどで完了しますが、講師の条件を満たしていなかったり、社内の契約関係の見直しをしなければならない場合もありますので、まずは相談していただければ概ねのスケジュール感お出しします!
ポイント2 登録が出来ただけでは運営は出来ない。
登録手続きも大変なのですが、それ以外に講師や管理者の研修、修了審査員研修も受講しなければなりません。また、事務規定や運営に必要な書類も多岐に渡るため、それらをご自身のスクール運営に適応させて作成する必要があります。
さらに、合格者情報をどのように管理するかなど、登録後の運営面においても悩まれる点が多くあります。
ポイント3 監査をパスできる運営体制を構築すること。
登録講習機関は、1年に1度、外部監査機関の監査を受ける必要があります。監査項目はすでに発表されていますが、現状多くのスクールは監査において修正せざるを得ない点が出てくるかと思います。
場合によっては、登録の取消しや、発行したライセンスの取消しもあり得ます。登録後、最初の1年目が重要になりますので、監査をパスできるように運営体制を構築し、各エビデンスの整理をしておく必要があります。
私どもは現在100スクール以上の登録講習機関のサポートをさせていただいておりますが、それぞれのスクールの担当者さまとしっかりと打合せを行い、ご質問についてもスピーディに対応させていただいております。
この記事をご覧いただいた方へのおすすめは、まず打合せさせていただいて情報を入手してください!ご自身で調べられるよりも圧倒的に早くドローンの制度や業界の動向を知ることができますので決断スピードが上がります。
お打合せは、私が担当させていただきますので、是非お気軽に問合せフォームからお申込みください。
お電話の場合は、平日10時~17時
登録講習機関、操縦ライセンスとは
2022年12月5日から、ドローンの国家ライセンススクール「登録講習機関」の制度がスタートしました。
今まで、ドローンを飛行させるには、原則として飛行許可を取得して飛ばす以外なかったのですが、今回の改正航空法によって、ドローンの「操縦ライセンス」が新設され、この操縦ライセンスを取得している方が一定の条件を満たしていれば、飛行許可なしに飛ばすことができるようになりました。
そして、自動車の運転免許の教習所のように、操縦ライセンスを取得するために受講生のみなさんが通う「登録講習機関」も誕生することになりました。
現在(2023年6月の時点)で、334校(※分校も含めると488校)の登録講習機関が登録されています。
指定試験機関(一般財団法人日本海事協会)が実施する学科試験、実地試験、身体検査によって受験することも出来ますし、国に登録を受けた登録講習機関において、実地・学科の講習を受け修了審査を受けることで、実地試験の免除を受けることもできます。その場合には、別途、指定試験機関の実施する学科試験を受験することで操縦ライセンスを取得することができます。
操縦ライセンスの有効期間は3年で、更新は講習を受講することが予定されています。
academic works 対応実績
私たちは、2022年9月5日の事前受付から現在まで100校以上のドローンスクールの登録講習機関の手続きを対応させていただきました。
制度が開始したばかりの過渡期ということもあり、様式や告示、解釈に変更がある中で、申請先である航空局と調整しながら進めていくことでスムーズに手続きを進めてまいりました。
また、講習開始後についても、どのように講習を行えばよいのか、講習内容に変更が生じた場合はどうすればよいのか等わからないことが多くあります。
講習場所の追加や講師の変更、カリキュラムや事務規定の内容の見直しなどもお打合せをさせていただきながら、運営のアドバイス、変更手続きをさせていただいております。
講習開始後のサポートについて特に意識しておりますのが、「監査」に向けた体制の構築です。
監査項目や基準を意識した上で必要な書類や運営体制を整えていくことが、継続した登録講習機関の経営につながります。
登録講習機関関係でお困りのことがありましたら、問合せフォームからお問合せください。
お電話の場合は、平日10時~17時
講習開始までのスケジュール
登録申請から講習開始までには、おおよそ2~3か月ほどかかります。
審査に時間がかかるのもあるのですが、スクール様でカリキュラムや講習料金等を検討する時間も必要となります。
手続きの詳細はこちらとなります。
講習開始までの作業工程が多く、作成しなければいけない書類も多岐に渡るため、進捗管理をさせていただきながら、定期的にオンラインのミーティングにて一つずつ説明もさせていただいています
登録申請
登録講習機関の登録をするためにまず行う手続きが「登録申請」です。
DIPSで電子申請をしたうえで、必要な添付書類は別途航空局にメールにて送付する運用となっています。
以下の書類を用意する必要があります。
①定款又は寄附行為及び登記事項証明書
②登記事項証明書に記載がある役員全ての氏名を記載した書面、本籍の記載のある住民票の写し及び履歴書
③施設及び設備の概要書(様式2)
④講師の条件への適合宣誓書(様式3)等
⑤講師の氏名、担当科目及び専任又は兼任の別(様式4)
⑥講師が法第 132 条の 70 の表の下欄の第一号の規定に適合することを証明する書類(様式5)
⑦登録申請者の役員が法第132条の70第2項の規定に該当しないことを説明した書類(様式6)
⑧修了審査用無人航空機の仕様要件又は機体認証書等
⑨修了審査用空域図
⑩組織図
登録申請の審査期間は、1ヶ月程度でかかります。
制度開始当初は、航空局の審査も滞っており、3ヶ月程度かかる場合もありましたが、現在は航空局の審査もスムーズになり、1ヶ月程度登録が完了します。
無人航空機講習事務規程等の届出
登録講習機関における無人航空機操縦者の講習の方法及び料金等に関する事項について定め、無人航空機講習事務規程を届出しなければいけません。
こちらの手続きは、DIPSではなく、航空局へメールにて書類を送付します。
以下の書類の送付が必要となります。
① 事務規程
② 管理者一覧表
③ 管理者の履歴書及び本籍の記載のある住民票の写し又はマイナンバーカード等の本人確認書類として認定できるもの
④ 管理者が省令第6条第2号ロの規定に該当しないことの本人からの申立書
⑤ 管理者、副管理者(管理者の業務の補助又は代理を行う者。)、講師に関する具体的な業務内容を定めた書類
⑥ 修了審査を受けることのできる者の要件及び修了の要件を記載した書類
⑦ 修了審査の実施方法等を定めた修了審査実施要領
⑧ 管理者及び講師(修了審査員を含む。)に対する研修指導要領
⑨ 実地講習実施計画書
⑩ 講習に必要な書籍一覧表
⑪ 緊急時の連絡体制図
※加えて、上記以外で10種類以上の書類が必要となります。
登録講習機関管理者及び講師に対する研修
登録講習機関では、無人航空機講習事務規程と合わせて提出する登録講習機関管理者及び講師に対する研修要領に従って各研修を行う必要があります。この研修が完了しなければ、講習事務を開始することができないので必ず行わなければいけません。
具体的には、以下の内容となっております。
【登録講習機関管理者の研修】
告示第2条第1項及び別表第4による研修
【講師の研修】
告示第2条第2項及び別表第5(第6号を除く。)による研修
また、修了審査(実地試験)を行う講師は、指定試験機関(一般社団法人日本海事協会)が行う修了審査員研修(eラーニング)を受けなければいけません。
修了審査員研修は、登録講習機関における修了審査員候補者の選任後、当該登録講習機関から指定試験機関に対して受講申請を行って受講する流れとなります。
研修内容は、以下となっています。
【修了審査員研修】
告示第2条第3項及び別表第5の基準による研修
講習開始後の変更手続き
講習開始後に変更が生じた場合には、変更の手続きを行わなければいけません。
例えば、「講師の追加」や「講習場所の追加」、「役員の変更」、「講習料金の変更」等様々なパターンがあります。
変更の手続きは、全部で4つあり、変更箇所によって異なります。
したがって、どの書類をどのような流れで提出するべきかわかりづらく、航空局の資料にも詳細が記載されていません。
①登録事項の変更の届出
②事務規程の変更
③役員の選任及び解任の届出
④登録講習機関届出事項変更届
また、変更の手続きは、新規の登録申請や事務規程届出よりも後回しにされており、審査に時間がかかるため、適切な書類を提出することがより重要となります。
弊所では、全てのパターンの変更手続きを対応していますので、講習開始までにいたったスクール様で変更手続きでお困りの方は問合せフォームからご相談ください。
登録講習機関サポートについて
これから登録講習機関を目指される方や、すでに講習開始しているスクール様でお困りの方は、お問合せフォームからご相談ください。詳細内容を知識・経験が豊富な行政書士が説明させていただきます。
academic worksドローン規制担当
TEL:03-5318-9046(平日10:00-17:00)
法令解説・資料等
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