都市公園、河川での映画撮影
この記事の目次
依頼内容
今回は、大阪の都市公園内での映画の撮影依頼を対応しました。
公園内で無人航空機の離発着を行い、近くの河川上空を飛行させる内容でした。
公園管理事務所への手続及び河川管理事務所への手続を対応しました、
法規制
都市公園法、大阪市公園条例
都市公園での無人航空機については、都市公園法及び各自治体の規定する条例に基づいて規制されており、原則飛行させることができません。
都市公園法では、地方公共団体が設置した都市公園については、地方公共団体が管理する旨規定されています。
<都市公園法>
第二条の三 都市公園の管理は、地方公共団体の設置に係る都市公園にあつては当該地方公共団体が、国の設置に係る都市公園にあつては国土交通大臣が行う。
今回の飛行場所は、大阪市が管理する都市公園になりますので、大阪市公園条例の規制にかかります。
大阪市公園条例では、公園内の禁止事項が規定されています。
<大阪市公園条例>
第3条 都市公園においては、何人も、みだりに次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1) 都市公園を損傷し、又は汚損すること
(2) 竹木を伐採し、又は市長が指定した場所以外の場所で植物を採取すること
(3) 土石、竹木等の物件を堆たい積すること
(4) 土石の採取その他の土地の形質の変更をすること
(5) 市長が指定した場所以外の場所で動物を捕獲し、又は殺傷すること
(6) 市長が指定した場所以外の場所でたき火をすること
(7) 市長が指定した立入禁止区域内に立ち入ること
(8) 市長が指定した場所以外の場所に車両を乗り入れること
(9) 他人に危害を及ぼすおそれのある行為をすること
(10) 前各号に掲げるもののほか、公衆の都市公園の利用に著しい支障を及ぼすおそれのある行為で市長が定めるもの
河川法
河川は原則として誰でも自由に利用でき、自由に散歩やサイクリング等を楽しむことができます。これを「自由使用の原則」といいます。
しかし、一部の利用者が独占してしまいますと、他の方が利用できなくなり、誰もが自由に利用できなくなってしまいます。
そこで、他人の河川利用を妨げたり、河川の機能に支障を生じさせるおそれがある河川利用については、河川法によって禁止または制限されています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=339AC0000000167
<禁止されている行為>
次に掲げる行為は禁止されており、罰則適用の対象となる場合があります。
・河川を損傷すること(河川法施行令第16条の4第1項第1号)
・河川区域内に土砂又はごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他の汚物若しくは廃物を拾てること(河川法施行令第16条の4第1項第2号)
・河川区域内の土地に河川管理者が指定したものを捨て、または放置すること(河川法施行令第16条の4第1項第2号) なお、東京都では、放置船舶対策をより強化することを目的に、「船舶」を放置禁止物件として指定しております。
<制限されている行為(許可が必要な行為)>
次に掲げる行為等を行う場合は、河川管理者の許可が必要です。
・河川の水を取水すること(河川法第23条)
・河川区域内の土地を排他・独占的に使用すること(河川法第24条)
・河川区域内の砂やヨシ等を採取すること(河川法第25条)
・河川区域内に工作物等を設置すること(河川法第26条)
・河川区域内の土地の形状を変更すること・竹木の栽植・伐採等を行うこと(河川法第27条)
・河川保全区域内において、土地の形状を変更することまたは工作物を設置すること (法令で定める行為は除く)(河川法第55条)
※ただし、河川法第24条及び第25条は私有地である場合を除きます。
都市公園法、大阪市公園条例
都市公園での無人航空機の飛行は原則、都市公園法や各自治体の条例によって禁止されています。
今回は、公園内で無人航空機の飛行は禁止しているということだったので、離発着のみ公園内で行い、河川上空を飛行させて空撮を行うことにしました。
その場合は公園内を占有することになり、公園内の占有についても都市公園法及び大阪市条例で規制しております。
都市公園に、公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可が必要です。都市公園の占用が、公衆のその利用に著しい支障を及ぼさず、かつ、必要やむを得ないと認められるもので、公園の技術的基準に適合するものに限って、審査のもと許可の可否を判断します。
<都市公園法>https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=331AC0000000079
第六条 都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、占用の目的、占用の期間、占用の場所、工作物その他の物件又は施設の構造その他条例(国の設置に係る都市公園にあつては、国土交通省令)で定める事項を記載した申請書を公園管理者に提出しなければならない。
3 第一項の許可を受けた者は、許可を受けた事項を変更しようとするときは、当該事項を記載した申請書を公園管理者に提出してその許可を受けなければならない。ただし、その変更が、条例(国の設置に係る都市公園にあつては、政令)で定める軽易なものであるときは、この限りでない。
4 第一項の規定による都市公園の占用の期間は、十年をこえない範囲内において政令で定める期間をこえることができない。これを更新するときの期間についても、同様とする。
<大阪市公園条例>https://krv800.legal-square.com/HAS-Shohin/jsp/SVDocumentView
第4条 都市公園において次の各号に掲げる行為をしようとするときは、市長の許可を受けなければならない。
(1) 物品を販売し、又は頒布すること
(2) 営業のために役務を提供すること
(3) 競技会、集会、展示会その他これらに類する催しのために都市公園の全部又は一部を独占して利用すること
(4) 募金、署名運動その他これらに類する行為をすること
(5) ロケーションをすること
(6) はり紙、はり札その他の広告物(以下「広告物」という。)を表示すること
(7) 前各号に掲げるもののほか、都市公園の管理上支障を及ぼすおそれのある行為で市長が定めるもの
2 前項の許可を受けようとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書を市長に提出しなければならない。
(1) 申請者の住所、氏名、生年月日及び職業(法人にあつては、主たる事務所の所在地、名称、代表者の氏名及び生年月日並びに営業種目とする。)
(2) 行為の目的
(3) 行為の期間
(4) 行為を行う場所
(5) 行為の内容
(6) その他市規則で定める事項
3 第1項の許可を受けた者は、許可を受けた事項を変更しようとするときは、当該事項を記載した申請書を市長に提出してその許可を受けなければならない。
4 市長は、第1項各号に掲げる行為が次の各号のいずれにも該当しない場合に限り、同項又は前項の許可を与えることができる。
(1) 公衆の都市公園の利用に支障を及ぼすおそれがあるとき
(2) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)の利益になるとき
5 市長は、第1項又は第3項の許可に都市公園の管理上必要な範囲内で条件を付することができる。
6 代行公園において第1項各号(第7号を除く。)に掲げる行為をしようとする場合における前各項の規定の適用については、これらの規定中「市長」とあるのは「第18条の規定により代行公園の管理を行うもの」とする。
7 大阪城野球場、大阪城弓道場、大阪城西の丸庭園若しくは豊松庵(以下「大阪城野球場等」という。)、長居陸上競技場、長居第2陸上競技場、長居球技場、長居運動場、長居庭球場、長居相撲場若しくは長居植物園(以下「長居陸上競技場等」という。)又は鶴見緑地球技場、鶴見緑地運動場、鶴見緑地庭球場、鶴見緑地馬場、鶴見緑地パークゴルフ場、咲くやこの花館、むらさき亭、陳列館ホール若しくは水の館ホール(以下「鶴見緑地球技場等」という。)において第1項各号(第7号を除く。)に掲げる行為をしようとする場合における同項から第5項までの規定の適用については、これらの規定中「市長」とあるのは「第18条の規定により当該有料施設の管理を行うもの」とする。
8 次の各号のいずれかに該当するときは、第18条の規定により代行公園の管理を行うもの(以下「代行公園の指定管理者」という。)、同条の規定により大阪城野球場等の管理を行うもの(以下「大阪城野球場等の指定管理者」という。)、同条の規定により長居陸上競技場等の管理を行うもの(以下「長居陸上競技場等の指定管理者」という。)又は同条の規定により鶴見緑地球技場等の管理を行うもの(以下「鶴見緑地球技場等の指定管理者」という。)は、前2項の規定により読み替えられた第1項若しくは第3項の許可を取り消し、その効力を停止し、若しくはその条件を変更し、又は行為の中止若しくは原状回復を命ずることができる。
(1) 偽りその他不正な手段により前2項の規定により読み替えられた第1項又は第3項の許可を受けたとき
(2) 第4項各号に定める事由が発生したとき
(3) この条例又は前2項の規定により読み替えられた第1項又は第3項の許可に付した条件に違反したとき
9 前項の規定により同項に規定する必要な措置を命ぜられた者は、命ぜられた措置を完了したときは、速やかにその旨を代行公園の指定管理者、大阪城野球場等の指定管理者、長居陸上競技場等の指定管理者又は鶴見緑地球技場等の指定管理者に届け出なければならない。
河川法
今回の飛行場所の河川及び飛行内容では、河川法上の規制にかからないため河川上の許可は不要でした。
なお、河川を管理している自治体によって別途条例で規制している場合があり、手続が必要な場合があります。
必ず河川管理事務所に確認しましょう。
弊所の対応
今回、下記機関と調整いたしました。
<公園での無人航空機の離発着について>
・扇町公園事務所
<河川上で飛行について>
・西大阪治水事務所河川グループ
公園事務所には、占有許可申請を行いました。
治水事務所には、本来申請等は不要でしたが、念のための情報共有のため、飛行企画書及び届出書を作成し、提出しました。
公園で空撮や河川上での飛行を予定している事業者様は是非お問い合わせください。
法令解説・資料等
ドローン(無人航空機)の規制
実績・事例集
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