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実績・事例 Published on 2021/08/11

捜索活動

依頼内容

今回は、捜索活動を行うための飛行に関するご依頼を対応しました。
飛行高度は、地表からの高度1,200m(海抜高度2,188m)でした。
空中からの撮影や測量・農薬散布に使われることの多い無人航空機を、人命救助に生かそうという取り組みが進んでいます。多くの自治体や団体によって各地で実証実験が行われています。
依頼内容は、夜間での捜索活動のために高い高度で飛行するので、高度150m以上の許可、夜間飛行、目視外飛行の許可取得の対応をしました。

法規制

航空法

<特例>
航空法で無人航空機の飛行について規制されておりますが、航空法が適用されない特例があります。
国若しくは地方公共団体又はこれらの者の依頼を受けた者(以下「特例適用者」という。)が航空機の事故その他の事故に際し捜索、救助の目的のため無人航空機を飛行させる場合、極めて緊急性が高くかつ公共性の高い行為であることから、救助等の迅速化を図るため無人航空機の飛行の禁止空域(航空法第 132 条)及び飛行の方法(航空法第 132条の2)に関する規定の適用を除外しています。
今回は、捜索活動のための訓練だったので特例は適用されず、航空法の規制を遵守する必要がありました。

(捜索、救助等のための特例)
航空法 第百三十二条の三
第百三十二条及び前条(第一項第一号から第四号までに係る部分を除く。)の規定は、都道府県警察その他の国土交通省令で定める者が航空機の事故その他の事故に際し捜索、救助その他の緊急性があるものとして国土交通省令で定める目的のために行う無人航空機の飛行については、適用しない。

(捜索又は救助のための特例)
航空法施行規則 第二百三十六条の九
法第百三十二条の三の国土交通省令で定める者は、国若しくは地方公共団体又はこれらの者の依頼により捜索若しくは救助を行う者とする。

第二百三十六条の十 法第百三十二条の三の国土交通省令で定める目的は、捜索又は救助とする。

<高度150m以上>
有人航空機の最低安全高度との関係から、無人航空機は原則150メートル以上での飛行はできず、飛行させるためには許可が必要になります。
無人航空機を150メートル以上の空域において飛行させることを制限している理由は、航空機(人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船など)と深く関係しています。
航空法は「航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物件の安全及び航空機の安全を考慮して国土交通省令で定める高度以下の高度で飛行してはならない」(81条)として最低安全高度を定めています。そして省令では、➀人又は家屋の密集している地域の上空、➁人又は家屋のない地域及び広い水面の上空、➂そのほかの地域の上空に分類して次のように規定されています(174条)。

➀人又は家屋の密集している地域の上空:
航空機を中心として水平距離600メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から300メートルの高度
➁人又は家屋のない地域及び広い水面の上空:
地上又は水上の人又は物件から150メートル以上の距離を保って飛行することのできる高度
➂そのほかの地域の上空:地表面又は水面から150メートル以上の高度
詳細についてはこちらをご参照ください。
高度150m以上飛行:https://academicworks.jp/regulation/78

<夜間飛行×目視外飛行>
審査要領により夜間かつ目視外飛行を行う場合には、1年間の包括許可を取得できないようになっております。
包括許可で、「夜間飛行」、「目視外飛行」を同時に許可取得できますが、こちらは、夜間飛行のみもしくは目視外飛行のみが認められるだけ、同時に行う飛行は行えません。
したがって、個別で申請し、許可取得しなければいけません。

飛行を予定している日時又は期間及び時間帯を記載すること。期間及び時間帯を記載する場合には、その期間は原則3ヶ月以内とし、申請内容に変更を生ずることなく、継続的に無人航空機を飛行させる場合には、1年を限度として記載することができる(5-2、5-3及び5-4に掲げる飛行を同時に行う場合を除く。)。

5-2とは、人又は家屋の密集している地域の上空における飛行を行う場合
5-3とは、夜間飛行を行う場合
5-4とは、目視外飛行を行う場合
(※審査要領抜粋)

その他の規制

DJIロック

ロック解除とは、DJI社の指定する飛行制限空域でドローンを飛行させるための手続きです。飛行制限空域ではこの手続きを行わないとドローン自体が作動しない仕様になっています。
飛行制限空域がどのような基準によって指定されているのかは公表されていません。しかし、DJI社の安全飛行フライトマップを見ると国会周辺の重要施設に加えて、空港の周辺や原子力発電所の付近が指定されています。例えば、東京都の明治神宮外苑の一部は飛行制限空域に指定されているので、ここを飛行させようとするとカスタムロック解除の手続きが必要になります。
また、飛行高度500m以上についても制限がかかっており、高度501m以上上昇させることができないようになっております。

法令上の手続

航空法

<高度150m以上>
ドローンに関する航空法を管轄している行政機関は国土交通省ですが、航空法137条及び航空法施行規則240条40号の2及び240条の2により国土交通大臣の権限を空港事務所長に委任しております。
したがって、150メートル以上の飛行許可申請は管轄の空港事務所長に対して行うことになります。
許可を取得するためには灯火を装備するなどの要件があり、許可を取得できたとしても、場合によっては飛行させるために飛行マニュアルの風速に関する規定を変更する必要がある。
許可申請は管轄の空港事務所長に対して、飛行開始予定日の10開庁日前までに申請しなければならない。

<夜間飛行×目視外飛行>
飛行許可期間を3ヶ月以内とする個別申請をしなければいけません。

その他の手続

DJIロック

ロック解除の手続きはDJI社に対して行います。手続きの方法はDJI社のWebページから行うことができます。
ロック解除の手続きには、DJIアカウントなどの基本情報のほか、「飛行許可地域と許可者が表記された公式許認可書類」が必要になります。この書類は、「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(無人航空機等飛行禁止法)」の規定によって必要となる手続きの際に、発行される「小型無人機等の飛行に関する通報書」や、空港事務所の飛行許可書などが該当します。
つまり、ロック解除の手続きの前提として、行政機関に対して手続きを行わなければならないということです。

お問い合わせ

academic worksでは、2015年12月の航空法改正以降、ドローンソリューションを提供する企業様、ドローンを利活用した実証実験を行う各自治体の法務サポートを行ってきました。
ドローンに関するビジネス、空撮、DJIロック解除、実証実験等をご検討の方は是非ご相談ください。

詳細についてはお問合せフォームまたはお電話にてご連絡ください。
academic worksドローン規制担当
TEL:03-5318-9046(平日10:00-17:00)

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