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実績・事例 Published on 2021/08/31

東京湾上空での空撮

依頼内容

今回は、東京湾上空での空撮依頼を対応いたしました。
弊所では、海事代理士事務所と連携しているため、海上関係の業務も多く対応しております。
東京湾の中には、東京港があるため、港則法や港湾法など多くの関係法令の適用を受けます。
航空法上の許可のみでは飛行させることができない場合がございますので、関係法令の手続等を対応いたしました。
また、オリンピック開催時期だったため、令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法も関連する案件でした。

法規制

港則法

◆規制の背景、根拠法
港内においては、多くの大小の船舶が狭い水域で輻輳して航行し、また停泊することから港外より航行上の危険が多いため、この危険防止のため港内でのルールである港則法が定められています。
港則法は、港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とした法律です。

◆規制の内容
港則法が適用される港及び区域は、港則法施行令別表1により定められています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340CO0000000219
また、港則法では、喫水の深い船舶が出入できる港または外国船舶が常時出入する港を特定港とし、港則法施行令別表2により定められています。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340CO0000000219
特定港内または特定港の境界付近で工事又は作業をしようとする場合は、港長の許可が必要です。
(特定港には、港長が置かれています。「港長」とは、海上保安庁法21条により海上保安庁長官が海上保安官の中から任命し、長官の指揮監督を受け、港則に関する法令に規定する事務を掌っています。)
「工事」と「作業」には明確な区別はありませんが、概念的には、工事とは行為の行われた場所において将来に施設等の痕跡を残すものをいい、作業とは行為の行われた場所において将来にこん跡を残さないものをいいます。
無人航空機の飛行が「作業」に該当する場合には、許可が必要となります。
作業に該当するかどうかの判断は、飛行内容や船舶の使用等によって異なります。
船舶を使用し、船舶上から無人航空機を離発着する場合には、舶交通の安全に支障を及ぼすおそれがあるため、許可が必要になる可能性が高いです。

港湾法・東京都港湾管理条例・東京港の港湾施設における無人航空機利用の取扱い

◆規制の背景、根拠法
港湾法
港湾法は、交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、環境の保全に配慮しつつ、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とした法律です。

東京都港湾管理条例
東京都港湾管理条例は、東京都が管理する港湾の利用及び管理に関し必要な事項を定めることにより、港湾の効率的な運営を図り、もって都民生活の向上及び地域経済の発展に資するとともに、港湾の適正な利用によって都民の安全を確保することを目的とする条例です。

東京港の港湾施設における無人航空機利用の取扱い
東京港の港湾施設における無人航空機利用の取扱いは、東京港の港湾施設における無人航空機の利用に関して必要な事項を定め、無人航空機の適切な利用により、港湾施設、その利用者及び都民の安全を確保し、港湾事業の効率的な運営に資することを目的とする取扱いです。

◆規制の内容
東京都では、港湾水域および港湾施設において無人航空機利用の取扱いを定めています。

港湾法によって港務局は、「港湾区域及び港務局の管理する港湾施設を良好な状態に維持すること(港湾区域内における漂流物、廃船その他船舶航行に支障を及ぼすおそれがある物の除去及び港湾区域内の水域の清掃その他の汚染の防除を含む。)」が業務とされています。(港湾法第 12 条第1項第2号)
東京港を管轄している港務局は、東京都港湾局となります(東京都組織条例に基づいて東京都に置かれる局の一つで、知事部局)。
つまり、東京都港湾局は、港湾区域及び港湾施設を良好な状態に維持しなければいけません。
具体的な東京都港湾の管理については、東京都港湾管理条例に規定されています。
東京都港湾管理条例では、港湾施設において、次に掲げる行為を禁止しています。(東京都港湾管理条例第23 条第1項)
・正当な理由なく港湾施設に立ち入ること。(第3号)
・港湾施設の機能に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。(4号)

航空法

◆規制の内容、根拠法
航空法で、空港の周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面若しくは延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域、進入表面若しくは転移表面の下の空域又は空港の敷地の上空の空域での無人航空機の飛行は禁止されています。(航空法132条)
包括許可なら原則、150未満の高度で飛行させることができますが、空港周辺の場合には、飛行場所に設定されている表面によって高度制限がかかってきます。

令和3年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法

◆規制の内容、根拠法
令和3年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法によりみなして適用される重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の規定に基づき、文部科学大臣が指定する対象大会関係施設の敷地又は区域及びその周囲おおむね300メートルの地域の上空においては小型無人機等の飛行が禁止されています。

法令上の手続

港則法

東京港において「作業・行事」をしようとするときは、京浜港長あての許可申請が必要となります。
作業・行事(準備作業などの付帯行為も含む)が船舶交通に与える影響を審査するほか、講じられる安全対策等について審査されます。
行政手続法に基づく作業・行事許可申請の標準処理期間(審査期間)は、1 ヶ月以内となっております。
処理期間が 1 ヶ月に満たない申請については、実施予定日までに審査が終了しない場合があります。
申請は、作業・行事着手予定日の1ヶ月前までに東京海上保安部航行安全課に行います。

港湾法・東京都港湾管理条例・東京港の港湾施設における無人航空機利用の取扱い

東京港において「作業・行事」をしようとするときは、管轄機関への届出が必要となります。
無人航空機を飛行させる場所が海上もしくは港湾施設かによって届出先及び提出書類が異なります。
航空法上の「機体の機能及び性能」、「操縦者の飛行経験、技能等」及び「安全確保のための対策」や、「 港湾施設の機能に支障を及ぼすおそれがないこと」かつ「港湾本来業務や報道目的等、港湾施設に立ち入る正当な理由があると認められるもの」等について審査されます。

お問合せ

academic worksでは、海事代理士事務所と連携しておりますので、海上関係の手続も全てご対応いたします。
ドローンを海上で飛行させる場合に、行政書士だけでは完結しない手続も発生しますので、是非ご相談ください。
詳細についてはお問合せフォームまたはお電話にてご連絡ください。
academic worksドローン規制担当
TEL:03-5318-9046(平日10:00-17:00)