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国内のドローン規制 Published on 2021/05/02

イベント上空飛行承認手続

航空法には無人航空機を飛行させる空域や飛行させる方法などについて制限がされています。
この制限の対象となる空域や方法で飛行させるためにはあらかじめ承認を取得しなくてはなりません。
そこで今回は、無人航空機を飛行させる「方法」の制限の中で、「祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空の空域において飛行させること」について紹介していきます。

今回のポイントは以下の3点です。
・イベントとは、特定の場所や日時に開催されるものなどであり、自然発生的なものは含まれないと解されている。
・イベント上空かつ第三者の上空を飛行させるためには要件が厳しく、現実的ではない。
・承認申請は管轄の地方航空局長に対して、飛行開始予定日の10開庁日前までに申請しなければならない。

 

現在の規制

祭礼、縁日、展示会など多数の者の集合する催し(イベント)が行われている場所の上空において、無人航空機を飛行させた場合に故障等によって落下してしまえば、人やモノに危害を加えてしまう可能性が高くなってしまいます。この理由から、イベントが行われている場所の上空で無人航空機を飛行させることは原則として禁止されており、地方航空局長の承認が必要になるのです。

 

規制の根拠法、内容

イベント上空の飛行を禁止している法令の規定を見ていきましょう。
航空法(132条の2)では次のように規定されています。

「無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
8 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。」

すなわち、無人航空機を飛行させる者はイベント上空以外の空域において飛行させなければならないと規定されています。そして、無人航空機を飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて地方航空局長の承認が得られた場合には、イベント上空で飛行させることができます(132条の2 2項及び137条1項)。

では、具体的にどのような場合がイベント上空での飛行に該当するのでしょうか。
国土交通省によると「催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上の人に危害を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や密度だけでなく、特定の場所や日時に開催されるものかどうか、また、主催者の意図等も勘案して総合的に判断される」として、「祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート、町内会の盆踊り大会、デモ(示威行為) 等」をイベントに該当する例、「自然発生的なもの(例えば、混雑による人混み、信号待ち 等)」を該当しない例として挙げています(事前に案内をしていない「ゲリラ花火」などもイベントに該当しないと判断しています)。その他にも「特定の時間、特定の場所に数十人が集合している場合には『多数の者の集合する催し』に該当する可能性がある」と示しています(航空局 安全部 安全企画課長「令和元年8月 23 日 改正(国空安第 132 号、国空航第 1014 号、国空機第 635 号)」)。このようなケースに該当する場合には、地方航空局長の承認を得る必要があります。

 

また無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領では、イベント上空の飛行承認のための審査基準が規定されています(※無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を確保するために必要な体制等とあわせて総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合にはこの基準は当てはまりません)。

審査要領には、以下の基準が規定されています(航空局長「国空安企第 161 号、国空航第 1696 号、国空機第 576 号」)。

① 第三者の上空を飛行させない場合

■機体について
・第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること。
(例)
プロペラガード、衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着など。
・想定される運用により、10 回以上の離陸及び着陸を含む3時間以上の飛行実績を有すること。

■無人航空機を飛行させる者について
・意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。

■安全を確保するために必要な体制について
・第三者の上空で無人航空機を飛行させないよう、次に掲げる基準に適合すること。
ア)飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
イ)飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
ウ)飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないように注意喚起を行う補助者の配置等を行うこと。
エ)催しの主催者等とあらかじめ調整を行い、次表に示す立入禁止区画を設定すること。
オ)風速5m/s以上の場合には、飛行を行わないこと。
カ)飛行速度と風速の和が7m/s以上となる場合には、飛行を行わないこと。
※機体について及び安全を確保するために必要な体制について(エ、オ)の基準については、機体に飛行範囲を制限するための係留装置を装着している場合、第三者に対する危害を防止するためのネットを設置している場合又は製造者等が落下距離(飛行の高度及び使用する機体に基づき、当該使用する機体が飛行する地点から当該機体が落下する地点までの距離として算定されるものをいう。)を保証し、飛行範囲の外周から当該落下距離以内の範囲を立入禁止区画(第三者の立入を禁止する区画をいう。)として設定している場合等は不要です。

 

飛行の高度 立入禁止区画
20m未満 飛行範囲の外周から30m以内の範囲
20m以上 50m未満 飛行範囲の外周から40m以内の範囲
50m以上 100m未満 飛行範囲の外周から60m以内の範囲
100m以上 150m未満 飛行範囲の外周から70m以内の範囲
150m以上 飛行範囲の外周から落下距離(当該距離が70m未満の場合にあっては、70mとする。)以内の範囲

 

 

② 第三者の上空を飛行させる場合(最大離陸重量 25kg 未満の無人航空機を飛行させる場合)

■機体について
・飛行を継続するための高い信頼性のある設計及び飛行の継続が困難となった場合に機体が直ちに落下することのない安全機能を有する設計がなされていること。
(例)
バッテリーが並列化されていること、自動的な切替え可能な予備バッテリーを装備すること又は地上の安定電源から有線により電力が供給されていること。
GPS等の受信が機能しなくなった場合に、その機能が復帰するまで空中における位置を保持する機能、安全な自動着陸を可能とする機能又はGPS等以外により位置情報を取得できる機能を有すること。
不測の事態が発生した際に、機体が直ちに落下することがないよう、安定した飛行に必要な最低限の数より多くのプロペラ及びモーターを有すること、パラシュートを展開する機能を有すること又は機体が十分な浮力を有する気嚢等を有すること。
・飛行させようとする空域を限定させる機能を有すること。
(例)
飛行範囲を制限する機能(ジオ・フェンス機能)、飛行範囲を制限する係留装置を有していること 等
・第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること。
(例)
プロペラガード、衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着 等

■無人航空機を飛行させる者について
・意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
・飛行の継続が困難になるなど、不測の事態が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させるための対処方法に関する知識を有し、適切に対応できること。
・最近の飛行の経験として、使用する機体について、飛行を行おうとする日からさかのぼって 90 日までの間に、1時間以上の飛行を行った経験を有すること。

■安全を確保するために必要な体制について
・飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、できる限り、第三者の上空を飛行させないような経路を特定すること。
・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
・飛行経路周辺には、上空で無人航空機が飛行していることを第三者に注意喚起する補助者を配置すること。
・不測の事態が発生した際に、第三者の避難誘導等を行うことができる補助者を適切に配置すること。
・催しの主催者等とあらかじめ調整を行い、観客、機材等から適切な距離を保って飛行させること。

 

③ 第三者の上空を飛行させる場合(最大離陸重量 25kg 以上の無人航空機を飛行させる場合)

■機体について
・航空機に相当する耐空性能を有すること。
(例)規則附属書第1において規定される耐空類別がN類に相当する耐空性能

■無人航空機を飛行させる者について
・意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
・飛行の継続が困難になるなど、不測の事態が発生した際に、無人航空機を 安全に着陸させるための対処方法に関する知識を有し、適切に対応できること。
・最近の飛行の経験として、使用する機体について、飛行を行おうとする日からさかのぼって90日までの間に、1時間以上の飛行を行った経験を有すること。

■安全を確保するために必要な体制について
・飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、できる限り、第三者の上空を飛行させないような経路を特定すること。
・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
・飛行経路周辺には、上空で無人航空機が飛行していることを第三者に注意喚起する補助者を配置すること。
・不測の事態が発生した際に、第三者の避難誘導等を行うことができる補助者を適切に配置すること。
・催しの主催者等とあらかじめ調整を行い、観客、機材等から適切な距離を保って飛行させること。

 

必要な手続き

申請窓口

ドローンに関する航空法を管轄している行政機関は国土交通省ですが、航空法137条及び航空法施行規則240条40号の3により国土交通大臣の権限を地方航空局長に委任しております。
したがって、イベント上空の飛行承認申請は管轄の地方航空局長に対して行うことになります。

管轄はこちらから調べることができます。
https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000211.html

手数料

現在の法制度なら手数料等はかかりません。

審査期間

申請については、飛行開始予定日の10開庁日前までに申請しなければいけません。
最短で10開庁日で承認の取得ができます。
例:2月1日(月)に申請→2月14日(月)が最短の10開庁日になります。
※実証実験などの申請内容が高度な場合には審査に時間がかかります。

 

まとめ

今回は無人航空機のイベント上空での飛行についての承認申請について紹介してきました。無人航空機のイベント上空の飛行は第三者やモノに対する危険性との関係が深く、飛行の安全性が重要になりますのでしっかりと準備をして承認申請を行いましょう。