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国内のドローン規制 Published on 2021/05/01

物件投下承認手続

航空法には無人航空機を飛行させる空域や飛行させる方法などについて制限がされています。
この制限の対象となる空域や方法で飛行させるためにはあらかじめ承認を得なくてはなりません。
そこで今回は、無人航空機を飛行させる「方法」の制限の中で、「無人航空機から物件を投下すること」について紹介していきます。

今回のポイントは以下の3点です。
・物件投下とは、水や農薬等の液体を散布する行為であり、輸送した物件を地表に置く行為は物件投下には該当しない。
・飛行高度や飛行場所に関わらず、物件投下を行う場合には承認を得る必要がある。
・物件投下のための操縦練習を行い、物件投下を行う際には補助者などを設置する必要がある。

 

現在の規制

無人航空機は原則として150m以下、許可を取得すれば150m以上の上空を飛行します。この場合に無人航空機から物件を投下させると、地上の人やモノに衝突してしまう危険性があります。また、物件投下によって無人航空機の機体のバランスを崩すなど、無人航空機の適切な制御に支障をきたす恐れもあります。この理由から、飛行している無人航空機から物件を投下させることは原則として禁止されており、物件を投下させるためには地方航空局長の承認が必要になるのです。

 

規制の根拠法・内容

物件投下を禁止している法令の規定を見ていきましょう。
航空法(132条の2)では次のように規定されています。

「無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
10 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。」

すなわち無人航空機を飛行させる者は、国土交通省令で定める場合を除き、無人航空機から物件を投下させてはならないと規定されています。なお省令には、承認を得ることなく物件を投下することができる場合について規定は置かれていません。そして、無人航空機を飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて地方航空局長の承認が得られた場合には、物件投下をすることができます(132条の2 2項及び137条1項)。

では、具体的にどのような場合が物件投下に該当するのでしょうか。
国土交通省によると「水や農薬等の液体を散布する行為は物件投下に該当し、輸送した物件を地表に置く行為は物件投下には該当しない。」と示しています(航空局 安全部 安全企画課長「令和元年8月 23 日 改正(国空安第 132 号、国空航第 1014 号、国空機第 635 号)」)。このように物件投下に該当する場合には、地方航空局長の承認を得る必要があります。

また無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領では、物件投下の承認のための審査基準が規定されています(※無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を確保するために必要な体制等とあわせて総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合にはこの基準は当てはまりません)。

審査要領には、以下の基準が規定されています(航空局長「国空安企第 161 号、国空航第 1696 号、国空機第 576 号」)。

① 物件投下を行う場合

■機体について
・不用意に物件を投下する機構でないこと。

■無人航空機を飛行させる者について
・5回以上の物件投下の実績を有し、物件投下の前後で安定した機体の姿勢制御ができること。
・必要な実績及び能力を有していない場合には、無人航空機を飛行させる者又はその関係者の管理下にあって第三者が立ち入らないよう措置された場所において、物件投下の訓練を実施すること。

■安全を確保するために必要な体制について
・物件を投下しようとする場所に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
・物件を投下しようとする場所に、第三者が立ち入らないように注意喚起を行う補助者の配置等を行うこと。

 

必要な手続き

申請窓口

ドローンに関する航空法を管轄している行政機関は国土交通省ですが、航空法137条及び航空法施行規則240条40号の3により国土交通大臣の権限を地方航空局長に委任しております。
したがって、物件投下の承認申請は管轄の地方航空局長に対して行うことになります。

管轄はこちらから調べることができます。
https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000211.html

手数料

現在の法制度なら手数料等はかかりません。

審査期間

申請については、飛行開始予定日の10開庁日前までに申請しなければいけません。
最短で10開庁日で承認の取得ができます。
例:2月1日(月)に申請→2月14日(月)が最短の10開庁日になります。
※実証実験などの申請内容が高度な場合には審査に時間がかかります。

 

まとめ

今回は無人航空機の物件投下についての承認申請について紹介してきました。物件投下は農薬散布のケースで多く見られる飛行方法です。一歩間違えれば事故につながりかねない飛行方法なので、事前にしっかりと準備をして承認を得てから飛行させましょう。