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国内のドローン規制 Published on 2021/04/27

航空法規制

現在の日本の法律では、無人航空機を飛行させる場合には原則、許可・承認を得なければ飛行させることができません。
飛行方法や飛行場所によっては、必要な手続きや関連する法令が変わってきます。
そこで、今回は無人航空機の飛行を規制している航空法の内容及び一般的な飛行方法、飛行場所での許可・承認を紹介します。

 

現在の規制

規制の背景

無人航空機の飛行を直接規制している法令が、航空法です。
無人航空機の飛行を禁止するように航空法が改正された契機は、2015年4月22日に首相官邸に無人航空機が落下した事件です。
そして同年4月24日に無人航空機を利用したテロ等に対する重要施設の警備体制の抜本的強化、無人航空機の運用ルールの策定と活用の在り方、関係法令の見直し等について、関係行政機関相互の緊密な連携・協力を確保し、総合的かつ効果的な推進を図るため、小型無人機に関する関係府省庁連絡会議が開催されました。その結果、会議を進めるにつれて同年12月10日に改正航空法が施行され無人航空機の規制がされました。

 

規制の根拠法、内容

航空法
無人航空機の飛行について航空法では具体的にどのような規制がされているのかを紹介します。
a.飛行場所、b.飛行方法、c.遵守事項として大きく分けて3つの項目が定められています

a.飛行場所
飛行場所によって許可の要否が変わります。航空法上の国土交通大臣の許可が必要な飛行場所は3つです。

➀人口集中地区の上空(DID地区)
国勢調査の結果により人口が多い地区が定められています。人口の多い地区を飛行させるには許可が必要になります。
人口集中地区に該当するか否かは、以下の航空局HPで確認することができます。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

➁地表又は水面から150m以上の高さの空域
全国どこでも地表又は水面150m以上の高さを超える空域を飛行させる場合は許可が必要になります。

➂空港周辺の空域
空港敷地内および空港周辺の空域を飛行させる場合には、許可が必要になります。

 

b.飛行方法
航空法上の国土交通大臣の承認が必要な飛行方法は6つに分けることができます。

➀夜間飛行
日没後に飛行させる場合
(※明るくても日没後は夜間に該当します。)

➁目視外飛行
目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させることができない飛行の場合
(例:飛行高度が高くて視認できないなど)

➂人又は物件から30mの距離が確保できない飛行
第三者や第三者の車両などの物件との間に30mの距離を保って飛行できない場合
飛行の関係者や飛行関係者の物件は該当しません。

④イベント上空での飛行
祭礼や縁日などの多数の人が集まるイベントの上空で飛行させる場合

⑤危険物を輸送する飛行
航空法規則第194条第1項に掲げる火薬類、高圧ガス、引火性液体、可燃性物質
類などを輸送する飛行

⑥物件投下
無人航空機から配送物を落下させるような場合
物件を地上に置く場合は物件投下に該当しません。

 

c.遵守事項
こちらは、許可や承認は必要ありませんが、飛行させる場合に遵守しなければいけない事項が4つ定められています。

➀アルコール等を摂取した状態では飛行させない
➁飛行の準備が整っていることを確認した後に飛行させる
➂航空機や他の無人航空機と衝突しそうな場合には、地上に降下等させること
④不必要に騒音を発するなど他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させない

 

必要手続き

手続きの内容

許可・承認申請の手続きには、➀個別の申請と➁包括の申請があります。

➀個別の申請
飛行日時や飛行場所を特定して飛行する申請になります。
許可は特定の日時に限定されているため、天候等による飛行日時の変更や飛行場所の変更があった場合には変更の手続きをしなければ飛行させることができません。
したがって、紹介する包括申請が多く申請されています。

➁包括申請
同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請になります。
包括申請は、a飛行できる期間を3ヶ月以内として申請するか、b飛行できる期間を1年間として申請するかの2パターンになります。

a飛行できる期間を3ヶ月以内として申請
人口集中地区での夜間飛行、人口集中地区での目視外飛行など少し複雑な内容の申請は、1年間の包括許可を取得することができません。
したがって、3ヶ月以内での申請となります。

b飛行できる期間を1年間として申請
多くの方が申請する一般的なものが1年間の包括許可になります。
人口集中地区での飛行、夜間飛行、目視外飛行、人又は物件から30mの距離が確保できない飛行などいくつかの飛行方法を同時に申請することができます。
※同時に申請することができるだけで全ての飛行方法を同時に行うことはできません(例:人口集中地区での夜間飛行など)。

 

申請窓口

無人航空機の飛行の許可・承認を管轄している行政機関は国土交通省ですが、航空法137条により国土交通大臣の権限は地方航空局長又は航空交通管制部長に委任されています。
したがって、無人航空機の飛行許可・承認は地方航空局への申請することになります。

申請先は申請内容・申請者によって変わります。
場所を特定した個別申請の場合、申請先は飛行場所を管轄する航空局になります。
一方、包括申請の場合、申請先は申請者の住所(法人の場合には、法人の住所)が新潟県、長野県、静岡県より東の都道府県は東京航空局の管轄になります。
富山県、岐阜県、愛知県より西の都道府県は大阪航空局の管轄になります。
なお、空港周辺及び飛行高度が150m以上を超える飛行許可の場合には、その空港及び飛行場所を管轄している空港事務所の申請となります。

 

手数料

現在の法律では手数料等はかかりません。
しかし、2020年度に航空法の改正があり、2022年度までには義務化される無人航空機の機体登録には手数料が発生する予定です。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000231

 

審査期間

申請については、飛行開始予定日の10開庁日前までに、行わなければいけません。
最短でも許可・承認に10開庁日かかってしまいます。
例:2月1日(月)に申請→2月14日(月)が最短の10開庁日になります。
※実証実験などの申請内容が高度な場合には審査に時間がかかります。

 

まとめ

今回は、航空法に基づく無人航空機の規制を紹介させていただきました。
海上で飛行させるなどの飛行場所や飛行方法によって関連する法令・手続きを行う行政機関が全く異なりますので、航空法上の許可・承認を得ていれば全ての場所で飛行できるというわけではありません。
もちろん航空法上の飛行許可を取得していないとそもそも無人航空機を飛行させることができませんので、まずは、航空法上の飛行許可・承認手続きを行います。
そして、航空法の許可取得後、別途他の法令の手続きを行います。