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国内のドローン規制 Published on 2021/05/09

最大離陸重量 25kg 以上の機体に関する要件

現在の日本の法律では、無人航空機を飛行させる場合には原則、許可・承認を得なければ飛行させることができません。航空法という法律により無人航空機の飛行は規制されています。
航空法では、大きく分けて3つの項目が定められています

a.飛行場所
b.飛行方法
c.遵守事項
※こちらの記事で航空法の規制について詳しく解説します。
https://academicworks.jp/regulation/79

しかし、実際の飛行許可を取得する際の要件は、審査要領に記載されています。
具体的には、飛行させる際の安全体制や機体の適合性などがあります。
機体の適合性については、機体の重量によってクリアしなければいけない基準が異なります。
今回は、機体重量25kg以上の機体について解説していきます。

 

審査要領

全ての無人航空機に求められる適合性

飛行許可・承認を取得するためには、無人航空機の機能及び性能が次に掲げる基準に適合していなければいけません。

(1)鋭利な突起物のない構造であること(構造上、必要なものを除く。)。
(2)無人航空機の位置及び向きが正確に視認できる灯火又は表示等を有していること。
(3)無人航空機を飛行させる者が燃料又はバッテリーの状態を確認できること。
(4)遠隔操作により飛行させることができる無人航空機の場合には、次に掲げる基準にも適合すること。
・特別な操作技術又は過度な注意力を要することなく、安定した離陸及び着陸ができること。
・特別な操作技術又は過度な注意力を要することなく、安定した飛行(上昇、前後移動、水平方向の飛行、ホバリング(回転翼航空機に限る。)、下降等)ができること。
・緊急時に機体が暴走しないよう、操縦装置の主電源の切断又は同等な手段により、モーター又は発動機を停止できること。
・操縦装置は、操作の誤りのおそれができる限り少ないようにしたものであること。
・操縦装置により適切に無人航空機を制御できること。

(5)自動操縦により飛行させることができる無人航空機の場合には、次に掲げる基準にも適合すること。
・自動操縦システム(自動操縦により飛行させるためのシステムをいう。以下同じ。)により、安定した離陸及び着陸ができること。
・自動操縦システムにより、安定した飛行(上昇、前後移動、水平方向の飛行、ホバリング(回転翼航空機に限る。)、 下降等)ができること。
・あらかじめ設定された飛行プログラムにかかわらず、常時、不具合発生時等において、無人航空機を飛行させる者が機体を安全に着陸させられるよう、強制的に操作介入ができる設計であること。ただし、飛行中に不具合が発生した際の対応も含め操作介入等を必要としない機能を有する設計であり、かつ、その機能に関しては十分な信頼性(例:飛行のリスクに応じた DAL レベルに相当する信頼性)を有することを製造者が証明できる場合はこの限りではない。

最大離陸重量 25kg 以上の無人航空機に求められる適合性

(1)想定される全ての運用に耐え得る堅牢性を有すること。
(2)機体を整備することにより 100 時間以上の飛行に耐え得る耐久性を有すること。
(3)機体と操縦装置との間の通信は、他の機器に悪影響を与えないこと。
(4)発動機、モーター又はプロペラ(ローター)が故障した後、これらの破損した部品が飛   散するおそれができる限り少ない構造であること。
(5)事故発生時にその原因調査をするための飛行諸元を記録できる機能を有すること。
(6)次表の想定される不具合モードに対し、適切なフェールセーフ機能を有すること。

なお、第三者の上空で最大離陸重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合は、航空機のN類相当の要件が求められます。航空機相当の耐空性や信頼性が求められることになりますので、航空法施行規則附属書第1及び関連通達に準じた構造、強度及び性能等の基準に適合する必要があります。審査にも相応の時間を要します。

まとめ

機体の適合性については、法的な要件というよりも技術的な要件となります。
飛行中に落下等した場合、重い機体の方が大きな事故になり得ます。
そこで、重量が重い機体については、一般的な機体よりも厳しい基準をかしています。
機体を開発したメーカーさんと調整したうえで技術的な基準を満たしていることを証明して申請していかなければいけません。
最大離陸重量 25kg 以上の無人航空機の開発・飛行を検討の方は、是非お問い合わせください。

academic worksドローン規制担当
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